Paperbacks - 気まぐれ指数（星新一）

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オススメ度：2
★★☆

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気まぐれ指数

星新一著
新潮文庫(ほ-4-3;2133)、1973年05月25日発行
ISBN-13: 9784101098036
ISBN-10: 4101098034 C0193

星新一としては珍しい長編小説。あとがきに「合格点と自己採点したが、そのあと『あんな作品を』との注文はなかった。これ一作でよかったのだろう」と書かれているぐらいで、自身としても世間としても短編を求めていたのだろう。実際、私も星新一はショート･ショートでのエヌ氏が好きである。

時代は赤い東京タワーが出来たぐらいを舞台にしていることもあって、中には古さを感じさせる設定もあるのだが、それはそれで物語の雰囲気を作り出しているという意味でよいと思う。主人公黒田がテレビの修理と偽って松平佐枝子の邸宅に乗り込むあたりは現代的にはまぁないだろうなと思いつつ、そういうシーンを想像することが出来るのが不思議だと思う。

いつもの星新一とはちょっと違うテイストが面白いと思った。映画化してみてもいいのではないだろうか？

(2011.03.20)

内容
ビックリ箱作りのアイデアマン黒田一郎は、犯罪批評を趣味とする教養高き紳士。ふとした気まぐれから自ら完全犯罪を計画し仏像窃盗に乗り出すが、はからずも神主、未亡人、セールス・ガールをめぐっててんやわんやの大騒動がまき起る……。ショート・ショートの第一人者星新一が、傑出したギャグと警句をふんだんにもり込んで描く、スマートでユーモアにみちた長編コメディー。