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国富論(4)

オススメ度:3
★★★


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国富論(4)

アダム・スミス 著/水田洋
岩波文庫(白105-4)、2001年10月19日発行
ISBN-13: 9784003410547
ISBN-10: 4003410548 C0133

現代の国家は様々な方法を用いて、様々な事業を行っている。その中には赤字事業も含まれており、批判されている。スミスは国富論の中で国家の行う事業は、インフラ整備、学校、教会を挙げている。これらは受益者が生産性を上げたり、知的になることで国家に還元されるという原理に基づく。

もともと、公共事業は私企業が利益を出せない分野で、社会的に必要だと考えられるものであるべきだと思う。だから、赤字の方が当然で黒字化できるなら民間に譲渡(売却)するべきである。

税制について、スミスは土地に係る税、事業利潤に係る税、労働賃金に係る税、そしてその何れにも係る税の4つを挙げている。それぞれが固定資産税、事業税(法人税)、所得税、消費税や住民税・関税として現在に残っている。

次にスミスは課税の四原則として、収入に比例して公平であること、課税額が明確であること、支払の都合の良い時期に課税されること、課税コストが低いことを挙げている。

最後に、国富論はスミスが当時の人たちに自由資本主義を訴えた論文であり、当時の人がどれほど興味をもって広く読まれたのかは分からないが、イギリス・フランスをはじめとした国家間での制度の違いからきた現実を比較している点で、よくまとめられていると思った。

ただ、一方で少し試行錯誤的な部分が感じられたりして、スミスの中でもまとめきれていない不明瞭な研究部分があったのだろうと思う。国富論を基礎として、近代経済学が出来上がっていった、そのスタートアップを読むことは歴史を知るうえでも役に立つと思う。

(2008.05.01)
内容
第五編第一章第三節「公共事業と公共施設の経費について」の続き。国家財政の収入・支出の諸項目を検討、適正な支出の範囲、課税の原則、公債の削減方法について述べる。一九世紀の自由主義時代、世界諸国の経済政策の基調となった経済学の古典。

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