Paperbacks - アスペルガー症候群（岡田尊司）

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オススメ度：2
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アスペルガー症候群

岡田尊司著
幻冬舎新書(141)、2009年09月30日発行
ISBN-13: 9784344981423
ISBN-10: 4344981421 C0295

会社にいた同僚が辞めた。あるときから欠勤、休職を繰り返すようになった挙句のことだった。その人が受けた診断がアスペルガー症候群だった。周囲では「自己中心が行き過ぎて制御できなくなる症状」といった理解だったと思う。

私はその同僚が嫌いではなかったし、一緒に飲みに行ったこともある。たしかに休みがちになったころから、こだわりというか主張が強くなったように感じた。その人が辞めた後、その診断が少し気になったのは、性格的に少し似ていると思ったからだった。

この本はアスペルガー症候群の特徴を分かりやすく説明していて、その性格に似た有名人を例示することで「ああいう言動をする人たちを指すのか」と理解できる。例示された人たちは必ずしもアスペルガー症候群と診断されたわけではなく、こういった性格が一つの特徴というだけである。ビルゲイツ、スピルバーグ、エジソンなど文明・文化に欠かせない人たちも上がってくる。そして、「現代文明は、このタイプの人に、発展の大きな部分を依存しているのである」とさえ述べている。

アスペルガー症候群は簡単に言うと「対人関係が不器用だが、強い専門性志向がある人」ということになる。それが社会性に弊害が出るほどになった場合、診断や治療が必要となるが、潜在的にはもっと多数の人がいるとされる。つまり、アスペルガー症候群予備軍やアスペルガータイプの人格。

この本を読み進めるにしたがって、その性格がまるでよく当る占い本を読んでいるかのように言い当てられて絶句した。私自身、対人関係が苦手なこともあるし、周囲の環境に敏感すぎてストレスを感じることも多い。自己主張も強い。本書の分類では、積極奇異型・変わり者に見られるスキゾタイプが近いと思った。

これまで性格だと思っていたことが、症状だと言われるとすれば複雑な気分だが、自分が分かったような気もした。

(2011.12.24)

内容
こだわりが強く、対人関係が不器用なアスペルガー症候群。他人の気持ちや常識が理解しにくいため、突然失礼なことを言って、相手を面食らわせることも多い。子どもだけでなく、働き盛りの大人にも見られるが、自覚がないまま、生きづらさを抱えているケースがほとんど。日本でも激増し、深刻な問題となっているが、シリコンバレーでは一割の人が該当するとも。家庭や学校、職場で、どう接したらいいのか？改善し、特性を活かすには？すべてを網羅した一冊。