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nakata.net 1998

オススメ度:3
★★★


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nakata.net 1998

中田英寿
新潮文庫(な-39-1; 6784)、2001年10月01日発行
ISBN-13: 9784101324319
ISBN-10: 410132431X C0175

サッカーについて詳しいわけではないけれど、この本は面白いと思った。本書はサッカー選手である中田英寿氏が自らのウェブサイト(nakata.net)に掲載したメールレターを編集したもの。殆ど日記みたいな感じで展開するこのレターは、同氏に生活から思想まで多岐にわたる。

この本を読もうと思ったきっかけというか理由は単純で、aritel.netに書く日記にちょっとは参考になるかと思ったから。それだけだったのだが、読んでみると日記以上に面白い展開になっていた。ということで、半日でズザーっと読んでしまった。

日記にはサッカーネタが一応は登場するが、意図的にだろうか、ネタがサッカー関係に偏り過ぎないように配慮している。恐らく、サッカー選手がサッカーネタで日記を書くということは当たり前すぎる展開でつまらないからだろう。読者が知りたいのは中田英寿の私生活なのだ。

だが、それを最も広く伝える媒体、すなわちマスコミは彼の真実ではなく、作り出した噂をさも本当のように書き立てる。この日記でサッカー以上に重きをおいているテーマが「マスコミに惑わされないで」ということだ。それは彼の私生活情報以上に頻繁に登場するが、これが彼の私生活でもある。

同氏にはウェブページを見た読者から1日に数千通のメールが届くという。彼はそれら全てに目を通す。それは彼がウェブサイトによって1対1のコミュニケーションを図ろうとしたためだ。だが、彼宛に届くメールの殆どは個人ではなく、マスコミに感化された大衆であった。同様な内容のメールを多くのファンから受け取った彼は一時はメールレターの停止まで宣言する。

彼はメールレターの中で何度もマスコミは嘘つきだと発言し、真実はいつもこのウェブサイトが提供していると主張する。だが大衆は依然としてマスコミを信じ、そのゴシップを信じ、時にはウェブサイトが偽者によって運営されていると疑問視さえする。彼はウェブページを通じて、ファンに自分の本当の姿を見せようと努力しているのである。マスコミに翻弄されるスポーツ選手の心境が伝わってくる本である。

(2002.09.18)
内容
念願のW杯出場と世界デビューの第一ステップとなったイタリア・セリエA、A.C.ペルージャ電撃移籍。大きく躍進する年となった1998年、ヒデがサッカーに対し、マスコミに対し、そしてファンに対して、何を感じ、どう振る舞ったのか? フランスW杯直前に開設されたホームページ〈nakata.net〉で、当時の率直な思いと自身のプレーぶりを綴ったヒデ・メールの集大成、第一弾!

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