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ドティおばさん、銀行に押し入る

オススメ度:2
★★☆


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ドティおばさん、銀行に押し入る

C・クラーク・クリスクオーロ 著/吉澤康子
集英社文庫(ク-10-1)、1997年05月25日発行
ISBN-13: 9784087603132
ISBN-10: 408760313X C0197

ドティおばさん、銀行に押し入る

タイトルだけで買ったしまった古本だが、なんということだろう、まさに現在のアメリカを象徴しているようなテーマの本だった。原書が執筆されたのは15年も前なのに。

本書の根底にあるのは、オバマ政権が進めている医療改革である。国民皆保険制度のないアメリカでは、民間保険に加入していない低所得者や高齢者がたくさんいる。低所得者を対象とした医療扶助はあるが、必ずしも低所得ではない人たちには対象とならない。そういう人たちにとって、また医療扶助対象となる治療方法以外の方法を受ける人たちにとって、医療費は生活を破滅させる。

この本の主人公たちはそうした問題の渦中にいる人たちだ。彼女らは刑務所なら国が医療を含めて面倒をみてもらえると信じて銀行強盗を企む。本当にそうであれば、銀行強盗はオイシイ商売になるのかもしれない。成功すればカネが手に入るし、失敗しても刑務所で優雅な生活が楽しめる。。。

医療改革法案は反対も多く、なかなか難航している案件だ。だが、医療費が原因で生活に困っている人たちも多い。そういう人たちが罪を犯すしかないほど追い詰められているかもしれないという現実は確かにあるのかもしれない。そこまででなくても、この小説は現在のアメリカモデルをちゃんと描けていると思った。

軽~く、アメリカの医療問題を覗いてみたい人は読んでみると面白いと思う。

(2010.02.14)
内容
ドティ、58歳、未亡人。ある日道で転んで骨折し、七週間入院したら失職した。年齢を聞いただけでどこも雇ってくれず、残ったのは病院の請求書だけ。ふと目にしたのが、強盗で捕まった重病人の優雅な看護付き独房生活、長年まじめに税金を納め、一人息子もお国のために戦死したのだ、わたしにだってリゾート監獄に行く権利はある! 銀行を襲って逮捕され、国に老後の面倒をみてもらおうという無茶な計画はうまくいくのか?

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