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ニュースキャスター

オススメ度:3
★★★


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ニュースキャスター

筑紫哲也
集英社新書(0145B)、2002年06月19日発行
ISBN-13: 9784087201451
ISBN-10: 4087201457 C0236

久しぶりに「面白い!」と思える本だった。「筑紫哲也NEWS23」というニュース番組はその名の通り、筑紫哲也がメインでキャスターを務める番組である。この番組がどのような経緯で開始されることになったのか。そして、いろいろな事件や特集がどのように行われたのか、そこで筑紫氏がどう考えたのかを通して、ニュースキャスターとは何かを考えている。

筆者が本の中で2回書いていることがらがある。「支持」もしくは「信頼性」。1回目はアメリカ・クリントン前大統領が同番組に特別出演した時に発言した内容を引用したもの。「指導者としての資質、用件」は「一般市民の支持をとりつけることだ」。そして2回目はオウムビデオ事件でTBSの信頼が揺るいだことを紹介したあと、「問題の中心は『信頼性』だと私は思い続けている」と章を締めくくる言葉。人であれ、組織であれ、信頼を失うと終わりである。本書の全体を通しても、同氏及び同番組がいかに視聴者の信頼をとりつけたが伝わってくる。

著者が番組中で必ずやっているコーナー「多事争論」についてのことも書かれている。コラムと言えば、新聞・雑誌の専売特許のようなものだが、テレビでこれをやってみようとスタッフに提案、これが通ってしまったらしい。このコラム、生放送でしかも台本が用意されていないそうだ。コーナーが始まる直前にタイトルを決めるので、それまでにテーマが転々と変わる日もあるそうな。約90秒のコラムは確かに内容が纏まっていない感がある(実際に視聴して)が、それでも十分に伝わってくるものがある。テレビをそういうメディアとして使うのもまた面白い。

雑誌に連載されたものに加筆・訂正を行った作品なので、本書は恐らくそのままの連載順序で構成されている。各章は短い。それゆえ、内容には何だか物足りない感じもしないことはない。が、随所に主張が書かれているので、薄っぺらいというわけでもない。いわばこの1冊そのものが多事争論のような気がしてきた。マスコミとか、ニュースキャスター、ジャーナリストに興味があったのでどんどん読み進めたし、この本はウェブサイトにオススメ欄があったらぜひ加えたい1冊。

(2002.07.31)
内容
初めて現場から語る「ニュースキャスター論」。かつて新聞、雑誌の記者・編集者であった著者が、テレビのニュース報道という未知の世界に飛び込み、そこで何を見、何を考え、何に苦悩してきたか。「ニュース23」の創設から現在に至る経緯を、自らの体験を軸に書き綴った迫真のノンフィクション。数々の事件、事故、災害、政局…。激動する時代と斬り結びながら、一般の視聴者には知ることのできないテレビニュース報道の舞台裏を活写する。そして、ニュースキャスターとは一体、何者なのか!?

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