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三国志(三)

オススメ度:3
★★★


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三国志(三)

吉川英治
吉川英治歴史時代文庫(35)、1989年04月11日発行
ISBN-13: 9784061965355
ISBN-10: 4061965352 C0193

劉備、関羽、張飛の3人は義兄弟という堅い信頼で結ばれているが、その3人も曹操の策略を前に惨敗を余儀なくされてしまう。ちりぢりになった3人はそれぞれ落ちていくが、関羽は曹操に迎え入れられる。

だが、関羽は劉備への忠誠を頑なに持ち続けているので、曹操もなかなか苦慮する。そのような忠義を果たす家臣に恵まれないことを悲しくも思っている。結局、関羽は劉備が生きているという噂を聞きつけて曹操の下を離れていく。

現代社会に置き換えてみても考えられないくらいの忠義が三国志にはある。武士は生きるか死ぬかという舞台に立っているから、事業の失敗はつまり死ぬことだし、トップと命をともにするということも普通だった。今や社長と生命をともにするといえる部下はどれくらいいるのだろうか。経営陣でさえ、曹操軍のような利権にまみれた者がどれほどいることか。

三国志が単なる史ではなく、武士の心を綴った物語であることを改めて感じた。

(2009.05.05)
内容
黄巾賊の乱より十年、天下の形勢は大いに変っていた。献帝はあってなきものの如く、群雄のうちにあっては、曹操が抜きんでた存在となっていた。劉備玄徳は、関羽、張飛を擁するものの一進一退、小沛の城を守るのみ。打倒曹操! その声は諸侯の間に満ち、国舅董承を中心に馬騰、玄徳など七人の謀議はつづく。誰が猫の首に鈴をつけるのか。――選ばれたのは、当代一の名医吉平。

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