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三国志(一)

オススメ度:3
★★★


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三国志(一)

吉川英治
吉川英治歴史時代文庫(33)、1989年04月11日発行
ISBN-13: 9784061965331
ISBN-10: 4061965336 C0193

三国志と言えば誰もが知っている古典中の古典であるけれども、ちゃんと読んだことがなかった。ちょうど、映画で新作「レッドクリフ」が上映されており、これを観たのだけれど、映画としては大変おもしろい物であったにも関わらず、歴史観が無いために損したような気分となった。後半であるパート2が公開されるまでに三国志を一式読み終えておきたいという動機で、文庫を手に取った。

本書は吉川英治の歴史小説だが日本での三国志の決定的訳本として受け入れられている。三国志はもともと詩歌を集めたような作品で事実を事細かに記述しているが、面白みはない。そこで中国でも三国志演義と呼ばれるフィクションを追加した小説が出回っているが、日本で三国志といえば一般にこの吉川英治の本を指すと言われる。三国志を知るにあたって、この本は一読するに値する。

中国の戦国時代にあたる、漢の時代の出来事である。劉備玄徳が黄河を眺めているところから話は始まる。この時代、中国全土には黄巾賊と呼ばれる集団が走り回っていて、村々を襲っては略奪を繰り返していた。中央政府などは廃退してしまって民を守ろうともしない。力のない者は生きることすらできない時代だった。そのような時代が過去にあったことさえ、今の人は意識していない。あまりに便利になりすぎた世の中では、戦乱などというものはむしろ一種の憧れにさえなってしまう。

吉川英治のこの作品は、もともと新聞連載として書かれたものなので、1話ずつが短く、でも飽きさせないような展開になっていて、次から次へと読み進めることができる。8巻構成の第1巻では、まだ劉備が張飛や関羽と出会い、一傭兵として戦って成長していく段階までしかないが、ゆっくりと進むストーリーでも、読みやすくて面白い。

(2008.12.31)
内容
日本では卑弥呼が邪馬台国を統治する頃、中国は後漢も霊帝の代、政治の腐爛は黄巾賊を各地にはびこらせ、民衆は喘ぎ苦しむ。このとき、涿県は楼桑村の一少年劉備は、同士関羽、張飛と桃園に義盟を結び、害賊を討ち、世を救わんことを誓う。――以後百年の治乱興亡に展開する壮大な世紀のドラマ。その華麗な調べと哀婉の情は、吉川文学随一と定評のあるところである。

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