Paperbacks - 涼宮ハルヒの陰謀（谷川流）

トップ - 本棚 - aritel.net

オススメ度：3
★★★

購入リンク

amazonで買う
合計1500円(税込)以上で送料無料

bk1で買う
合計1500円(税込)以上で送料無料

楽天で買う

1冊では送料がかかる場合があります。他の本も合わせて購入をオススメ。

涼宮ハルヒの陰謀

谷川流著
角川文庫(Ｓ168-7; 13914)、2005年09月01日発行
ISBN-13: 9784044292072
ISBN-10: 4044292078 C0193

いわゆる時間旅行のパラドックスというやつは、実際にあるのか、または未来は現在の延長線上にあるから未来が過去を変えるような行動を起こすこともまたその未来には予定さていることなのか。人類はいまだ時間旅行を発明していないし、現在僕たちがいる世界に未来人が出現していないことから、発明されることもないだろうから、これは実に永遠のテーマといえる。

今回のハルヒはそういう時間旅行においてわずか８日後からやってきた朝比奈さんを、キョンが右往左往しながら、現在進行形のハルヒや朝比奈さんに合わせないように隠しつつ、さらに未来の大人の朝比奈さんからの指令をこなしていくというストーリーが根底にあるが、タイトルどおり、ハルヒの陰謀もまた、ストーリーを通して進行していくという構成だ。

年末の話のようなものも出てくるので、前作の『涼宮ハルヒの動揺』を読んでからでないと意味不明になる部分もあるので注意。そのへんは谷川流さんの作風はなかなか時間軸を巧みに操って展開している。

だいたいどんなシリーズ物でも、ある程度話が進みだすと世界がいろいろと拡大するもので、その最たるものがドラゴンボールで最初はボール集めに奔走する悟空と仲間たちだったのだが、いつのまにか天下一武道会で延々と戦い続けて次は宇宙を巻き込んだえらく壮大なスケールになっていく。まぁ、いつまでも世界が拡大しないのはサザエさんぐらいのもので、これはこれで面白いが主人公たちはいつまでたっても大人に近づくことができないのだった。

そういうことで、ハルヒの周りにもどうやら事情を知っている人たちが集まりだして、なんだかよくわからない２人目の未来人が出現したり、大富豪の鶴屋さんが実はなにか事情を知っているふうだったりと、今後の作品を広げるような伏線を張っている。

そういうことを抜きにして考えたとき、ハルヒは単純に古今東西のイベントというものをちゃんと楽しんでおこうという、青春時代には至極ありがちな発想で行動を起こしているという、シンプルな根底があるから読んでいて飽きが来ないのかなぁと思う。

(2010.01.25)

内容
年末から気にしていた懸案イベントも無事こなし、残りわずかな高一生活をのんびりと楽しめるかと思いきや、ハルヒがやけにおとなしいのが気に入らない。こんなときには必ず何かが起こる予感のそのままに、俺の目の前に現れたのは８日後の未来から来たという朝比奈さんだった。しかも、事情をまったく知らない彼女をこの時間に送り出したのは、なんと俺だというのだ。未来の俺よ、いったい何を企んでいるんだ!?　大人気シリーズ怒涛の第７弾！