Paperbacks - 涼宮ハルヒの消失（谷川流）

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オススメ度：3
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涼宮ハルヒの消失

谷川流著
角川文庫(Ｓ168-4; 13444)、2004年08月01日発行
ISBN-13: 9784044292041
ISBN-10: 4044292043 C0193

前作短編集が読者に対する伏線だったのではないかと思えるような、手の込んだ第4巻である。ハルヒが暴走する時系列とはまったくことなる、ある意味では整理整頓された世界が広がっていた。そこにいる僕らはハルヒを知らなかった。

原因はいろいろあるとして、果たしてこの世の中には別の時系列なんて存在しているのだろうか。そこで僕は何をやっているのだろうか。ドラえもんの話に地球とまったく逆になっている星というのがあるけれど、そういうアイディアを思い起こさせる話。

ところで、この別世界で改変前を知っていたキョン（主人公）は、戻りたいと思った。理路整然とした世界よりは、多少でも無茶苦茶な理論がまかり通っている世界のほうが面白い。いや、ハルヒの望むことは決して素っ頓狂なことではないのだと、キョンは思ったのかもしれない。そして、そのために自分もまたアクションを起こしていくということも。

果たして僕らはこの現実を変えようと思っているだろうか。米大統領のようにチェンジ（変革）を求めているだろうか。自分がキョンなら、ハルヒを探しに行けるのだろうか。

(2008.11.01)

内容
「涼宮ハルヒ？　それ誰？」って、国木田よ、そう思いたくなる気持ちは解らんでもないが、そんなに真顔で言うことはないだろう。だが他のやつらもハルヒなんか最初からいなかったような口ぶりだ。混乱する俺に追い打ちをかけるようにニコニコ笑顔で教室に現れた女は、俺を殺そうとし、消失したはずの委員長・朝倉涼子だった！　どうやら俺はちっとも笑えない状況におかれてしまったらしいな。大人気シリーズ第4巻、驚愕のスタート！