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涼宮ハルヒの溜息

オススメ度:2
★★☆


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涼宮ハルヒの溜息

谷川流
角川文庫(S168-2; 13097)、2003年10月01日発行
ISBN-13: 9784044292027
ISBN-10: 4044292027 C0193

というわけで、涼宮ハルヒの第2弾。簡単に言えば、ハルヒが映画を作るというアニメ第1話の舞台裏に相当するストーリーだ。

今回は、専らハルヒの勝手な映画構想にキョン以下メンバーが巻き込まれていくという展開で、あまり深い意義というのはなくて、映画が出来上がるまでのドタバタ劇が始終繰り広げられるのだが、その中で小泉・朝比奈・長門は三者三様の理解でハルヒを捉える。

はたして誰の解釈が世界の状態を最も言い表しているのか、キョンにも分からない。というか難解すぎるんだわ。どうだっていいよ、といった感じだ。

たぶんその答えを真剣に求めるのは研究者肌の人間であって、キョンもハルヒもそういうことに関心はあまりなさそうだ。そういう意味で2人は似ている。夢見がちなハルヒと現実派のキョンであって、たぶん2人だけでも十二分に面白いストーリーが紡ぎ出せるんだろうけれど、やはり3人の脇役がいることで突拍子もない展開が出来上がっていく。

そう考えてみると、前作でハルヒ的発想を求めている自分が実はキョンに近い現実派だろうと思えてくる。爆発的な夢があるわけでもないが、現実を理論的に解釈するのも面倒になってきたのだ。

太陽が東から昇って西に沈むということは人間なら誰でも知っていることだけれど、それがなぜそうなのかはあまり深く考えない。いや、自転していることも知っているが、なぜ地球は自転と公転をするのだろうかという科学的根拠を真剣に考える人は少ないのだ。

だいたい、どっち周りで太陽を回ろうが夏と冬の間には温暖平穏な季節があって、春夏秋冬が春冬秋夏になったとして秋と春がどう違うのか説明は付かないのだ。

人間が長い歴史の中で一番暑い季節を夏と呼び、その後にやってくる涼しく過ごしやすい季節を秋と呼ぶことにしただけのことであって、それに従って会話をした方が楽なことは当然の思うところだ。

ただ、ときどき、そうやって作られたレールの上を無機質に走るだけの列車の一車両になってしまっているのではないかという思ったときに、そこに自省の念が無いかというと、それは感じてしまうんだわ。

(2008.08.28)
内容
宇宙人未来人超能力者と一緒に遊ぶのが目的という、正体不明な謎の団体SOS団を率いる涼宮ハルヒの目下の関心事は文化祭が楽しくないことらしい。行事を楽しくしたい心意気は大いに結構だが、なにも俺たちが映画を撮らなくてもいいんじゃないか? ハルヒが何か言い出すたびに、周りの宇宙人未来人超能力者が苦労するんだけどな――スニーカー大賞<大賞>を受賞したビミョーに非日常系学園ストーリー、圧倒的人気で第2弾登場!

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