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BRAIN VALLEY〈上〉

オススメ度:3
★★★


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BRAIN VALLEY〈上〉

瀬名秀明
角川文庫(せ-4-1; 11737)、2000年12月25日発行
ISBN-13: 9784043405022
ISBN-10: 4043405022 C0193

解説にもあるように、科学・心理学用語の氾濫である。それほど多くの知識を持たないシロウトにはすぐには理解できない域に達しよう。ところが何となく分かったような、これらの分野について一定の知識を得たような錯覚を覚える。作者の話の進め方がうまい。だから私の脳もまた、まるで主人公らの話を現実に見てきたかのように感じる。

この本は、本当にストーリー立てられた専門書である。書かれている科学的記述にも嘘は無いという。しかし所詮はフィクション。どこまでが嘘(フィクション)なのだろうと詮索してしまうのはやむを得ないことではないだろうか。したがって、それらの疑問を解くための追伸が必要になろう。瀬名氏は本シリーズの後に、「神に迫るサイエンス-BrainValley研究序説」という本を同じく角川文庫から出している。この本が読者心理の解決本になるかもしれないと思う(まだ読んでいないので、あくまで推測!!)。

さて、孝岡はブレインテック研究所に招かれた一人の研究員であった。その彼が、宇宙人に襲われ、触れるコンピュータをバグらせる不可解な体質に変えられ、研究者の職を解かれ、いつのまにか自らが研究対象となっていることに気付く。宇宙人にさらわれたというあまりにリアルな記憶は脳が作り出した幻想だと説かれた孝岡だが、それをすぐさま信じることは出来なかった。

彼はブレインテックに来て初めて出会った、そして親友であるジェイに助けを求め、共に自らにふりかかった問題を解決しようとする。そこで浮かび上がったのが、宇宙人を見る前日に接触した船笠鏡子だった。いったい鏡子とはどんな人物なのだろうか。そして、船笠家に秘められた歴史とは…。

「他者の心の理解」という能力を手に入れた人間。それは人類の脳が他の動物から進化した末に手に入れた代物である。研究の意図によって宇宙人とのアブダクティーとされる男、鏡子との最高のエクスタシーを企む男。

彼らは科学者である。科学者に求められるのは常に一番乗りだ。「科学に二位や三位など存在しない」。しかし彼らの欲望がまた、彼ら地獄に落とす。そして、彼らを地獄につき落とす北川という人物の存在。北川は何を狙っているのか…。この辺は下巻で。

(2003.04.20)
内容
山奥の最新脳科学総合研究所「ブレインテック」。脳科学者の孝岡は、同研究所所長の北川の指名を受け、この地に赴任する。到着早々に目撃した若い女性の身体から放たれた白い光。が、不思議な体験はそれだけではなかった。孝岡は、エイリアンらしきものに拉致され、生体実験を施されてしまう。しかし、それらの超常現象も、この地で行われている数々の研究も、すべては人類を更なる進化へと導く壮大な計画の一環でしかなかった。人類の根元を司る「脳」に最先端の科学理論で迫り、オカルト現象をはじめ様々な謎を解き明かす究極のサイエンス・フィクション、待望の文庫化。

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